キノの旅XII - the BeautifulWorld - の感想

基本的に遅読な私でもキノの旅だけは1〜2日で読める不思議。ちなみに他はたいてい1週間前後かかるほど読むのは遅い。だから積んだ本たちがなかなか減らない…。


寄付の国

過大な解釈と言うか、どうしても旅人が可哀想であるように仕立て上げたい雰囲気を存分に感じられた。
一体何なの?と思ったけど、この謎は後に分かった。
ちなみにスクエニ系列マンガのお陰で、こういう本を購入するとまず最初にカバーを外す癖になっているので、最初に見つけて最初に読んだ。


山賊達の話

キノが可愛い。マジで可愛い。ほとんど学園キノ2巻表紙に近い雰囲気。いつもの凛とした雰囲気はどこへやら…。これじゃあ女の子だって誰でもわかるだろう。
そして師匠たちはやっぱりどこへ行っても絶対に加減なぞしない。本当に悪魔である…。


パクリの国

良く分からない…。何か地味〜な印象…。何か裏があるのかも…って思って思わず2回読んだけどそうでもないみたい…?


願い

死亡フラグ…かと思いきや、何かいつもの会話と変わらない感じになって終わった。何なんだろう…。これは何気ない会話なのかな…。


幸せの中で

幸せな話ではないことはbを読んでで予想はついたけど、まさかねぇ…。
3番目以降に生まれた人間の、自我と言うか意識と言うか、そういうのが全く尊厳されていないことをごく当たり前のように思っている親が非常に不気味。2人の子供たちにワザワザ見せに行ったあとに愛着とかそういう感情は湧かないのだろうか…。


正義の国

キノの旅特有の皮肉めいた話。この話では極論だけど、人間ってそんなもんなのかもな…と思った。


悪魔が来た国

う〜ん…。これは人によって印象が変わる話なんじゃないかな…?
最後の部分で、ただ単にボケ老人がそう感じているだけとも取れるし、その国でのバターの扱いはそのとおりなんだけど、そもそも爺さんの妄想の世界かもしれないし…。
ちなみに私は出来事は事実だったんだけど、爺さんがボケてしまっているだけと解釈した。


求める国

あ〜…。そういう考え方もあるのか…と思った。私が平和ボケしてる証拠なんだけど、そういう世界では常識なんだな…。


日時計の国

途中から気付いたけど、面白かった。アレなんて言ったっけ?サイクロイドの親戚みたいなのでハート形の軌跡取るヤツ…*1。その軌道を頭に浮かべながら第一宇宙速度とかいろいろ頭に浮かんで計算してみようかな?とか思ったけど、面倒なのでやりません。


努力をする国

アホだなぁ…と思ったけど、正しいかどうかなんてやってる当人は分からないものだからなぁ…。
信じてきた事が崩れると人間って簡単に崩壊するもんなんだけど、知らないままのことの方が多いから、崩壊する人なんてそんなにいないんだなぁ…とかいろいろ無駄に思い浮かんだ。


続・寄付の国

はい、詐欺集団でした。というお話。キノも悪人…っていうか師匠の教えを忠実に受け継いでいるなぁ…と思った。


手紙の国

バッシングをしたおじさんの辺りまではいい話なんだけど、最後は何ということだ…と思ったね。でもまぁキノを読むときは疑いながら読む癖になってしまっているので、涙を流したあたりで、「旦那に不幸なことがあったか…」と予測できたのも事実。
ティーがよく喋るのはなかなか珍しいから必見かも。


賭の話

オチはすぐに分かる話。飛ばしたくなる衝動を必死に抑えて読み進めて見ると、賭ける人の多いこと多いこと。
最後の人はどうするんだろうね?


徳を積む国

人生頑張ったのに報われない話。傍から見れば非常にいい人生なんだけど、本人は報われていない話。
ちょっと最後ハラハラしたけど、自分の失敗を次の世代が受け継がないよう願う男に悲しくなった…。


雲の前で

3巻のある話に繋がる話。
ところで、皆はどの時点でこの奴隷が女の子だって気づいたんだろう…?
私は結構早くに奴隷の性別が意図的に明かされていないのかな?って思って、「これは女の子だったら萌えるな…」なんてドS心たっぷりに読んでた。
この娘、今までに出てきてないよね…?私よりキノに詳しい友人が「記憶にない」と言っていたから多分無いと思うけど…。
私もあんな愉快なモトラド記憶にないから、今後出てきてほしいと思った。キノの旅の構成って

  • キノの話
  • シズの話
  • 師匠の話

って3つが主流だから、今後この娘視点の4つ目の構成が出てきてくれないかな?って期待してる。


作者・時雨沢恵一氏のあとがき

今巻は普通…なのかな?
小説が出来るまでってなかなかその業界に飛び込まないと分からないので、これはなかなか読んでて面白かった。


絵師・黒星紅白氏のあとがき

11巻で何があったっけ…?orz
覚えてないので、この記事UPしたら読み返してくるわ…。


私のあとがき

なんて言うか、この12巻はキノが傍観者になっている話がすごく多かった気がする。
キノがその国で何かするんじゃなく、立ち寄っただけで見ているだけ。または出来事の一部だけを見たっていうおまけ的な扱いが多かっただった。
つまりキノ主役の話が少なかったってこと。
基本的にそういう小説なんだけど、1冊に1つくらいは主体的に行動する話があるように思っているので、ちょっと異色だと思いましたね。
で、それでもやっぱり私はキノの旅が一番好きなんだということを感じました。同じ作者の作品のアリソンシリーズももちろん好きなんだけど、やっぱりキノが一番。アリソンシリーズが2番だった。
刊行ペースが遅いから、余計そう感じているのかもしれないけど、そ今回読んでそう実感しましたね…。

*1:調べた。カージオイドと言うらしい。